目指すは「もう1回来たくなるようなお店」
まだまだ進化中の七福神!
目指すは「もう1回来たくなるようなお店」
まだまだ進化中の七福神!
白山市美川インター近くに店を構えるラーメン店。石川県の主要道路8号線から少し離れたこの場所は、今年、惜しまれつつ閉店した「めんや仁」跡である。建物はそのままの出で立ちで、店名が違っている。噂によると、お隣にある洋食ビストロを経営しているオーナーがお店を引き継いだというが・・・ん?一体どういうことでしょう??早速、潜入開始ですっ!レッツゴー♪
(取材:絶メシ!いしかわ調査隊 ライター名:美緑トモハル)
「こんにちはー!今日はよろしくお願いしますっ!いきなりなんですが、藤澤さんは、お隣にある洋食屋さんのオーナーさんでもあるんですよね?」
「そうです。洋食ビストロ「福壱軒」は2017年のクリスマス時期に告知もなしでオープンしたんです。」
「告知もなしで!新規オープンだったらチラシ撒いたり集客しないと難しくないですか?」
「オープンした時、チラシも撒かない、口コミだけで集客すると決めていたので、最初は流れに乗れず、、。でも、僕が目指したのは“もう1回来たくなるようなお店”。それを確立する前に集客してもお客さんが離れるだけだなと。以前、とんかつ屋さんをやっていた時にも苦労した経験があって、その時に1冊の本に出会って考え方も変わったんです。」
「どんな風に変わったのでしょう?」
「私たちは元気を売っているという考え方で。悪口や愚痴を言わずに感謝の気持ちを口にして、広い集客目的ではなく、来てくれるお客様を大切にしようと。それで今はありがたいことに沢山のお客様に来ていただいています!」
「成功したんですね!すごい・・・。では、めんや仁さんとのつながりと言うか、どういったいきさつで引き継ぐことになったんですか?」
「インスタをやっていて、その投稿でめんや仁さんが閉まるっていう情報を見て。それで最終日に家族で食べに行ったんです。その時に、このお店どうなるんですか?って聞いたら、今新しいオーナーを探していて、見つかれば復活するけどまだ分からないと。それでしばらく様子を見ていたんですけど、一向に開く気配がないから、気になって連絡してみたら、結局次の人は見つからなくて、全部売りに出そうとしていたらしいんです。それは勿体ないと思って。僕がやりますって」
「ほうっ!?」
「でも僕がやる条件として、前に勤めていた従業員さんを出来るだけ戻してほしいって。それは、やっぱり1から人を育てる余裕もないですし、もし戻ってきてくれるようならやりますと。あと、やっぱり、近隣にお店が無くなっていく事が嫌だったんです。賑わいがなくなると人が来なくなり、町の活気がなくなる。飲食店は、活気を作るキーだと思っているのでそれは避けたかった。」
藤澤さんは、「福壱軒」を始めるときにも、この地に色んな飲食があれば、共存して地域を盛り上げることが出来るんじゃないかと洋食屋さんにした経緯がある。お客さんの取り合いではなく、違うジャンルのお店がある事で人が集まり相乗効果を出したいというプラスの考えだと話してくれた。一見するとただの理想論と捉えられがちだが、口先だけではないことが、真剣な眼差しで伝わってくる。
「素晴らしい考え…。では上野さんは、もともと「めんや仁」さんにいらっしゃったんですか?」
「はい。前はチーフという立場で仕事をしてました。もともと飲食は嫌いじゃないですし、閉まるってなった時は残念でしたね。なので、戻って来れるとなった時はみんなも喜んでました。」
「オーナーが変わって、働き方が変わったりしましたか?」
「それが以前とほとんど同じでなんです。働く時間もやり方もそこまで変わってません。それは、オーナーがやりやすいようにと考えてくれているのかな?と思います。」
ここまでお話を聞いていてミロクは思った。こんな出来た人間がいるのか!?よしっ、ちょっと意地悪な質問をしてみよう、と。
「今オーナーが隣にいて言いにくいかもしれないんですが、厳しい所もあったりしますよね!!?きっと!!」
「うーん。味を決める事になると、結構細かく言います!!」
そこはっ、窓際に指をツ―――っと「ここ、拭けてないざますわよ?」的なのでしょ!!…と、昭和の小姑の意地悪さしか思いつかないミロクの頭の中が露呈したところで次っ!!(涙)
「ラーメンは前のお店の味を引き継いだりしたんですか?」
「前の味をベースにしているものもあるし、新しく作り直したものありますね。もともとお客さんがついていたのもあったので、あんまりガラリと変えようとは思ってなかったんですけど。」
「味に関しては、ベースにはしているけど、全く同じではないと言う事なんですね。以前のお店の常連さんも来られたりしてると思うんですけど、戸惑っていたりしませんか?」
「そうですね。今はあるんですけど、最初は餃子もやってなくて、無いの!?って、怒って帰られる方もおいでました。あとはチャーハンも人気だったようで言われますね。」
「チャーハンを今後作ろうとは?」
「今は人手が足りないのもありますし、一度出してしまうと、無くすことが出来ないので慎重に考えてます。」
「では今の「七福神」さんのイチオシメニューは?」
「通常メニューでは、この味玉醤油ラーメンと餃子ですかね?」
「あごだしなんですね~。この味を作るのに苦労しました?」
「大変でした!ラーメンを作るのがこんなに大変だとは…。一番苦労したのは元ダレですね。すごく時間がかかりました。」
「作る時には従業員の方たちと?」
「そうですね。僕一人では・・・大まかな所は僕が作るんですけど、やっぱり行き詰っちゃうんで、上野君にどうしたらいい?と相談したりして決まっていくという。で、みんなに食べてもらって感想聞いて。作ったら、それがゴールではなく始まりで、どんどん手直ししていってます。目指しているのは、美味しかったで終わる味ではなく、ふと食べたくなる「クセになる味」なんです。そこが難しいですよね。洋食屋もやっているんで、時間がなくて、思い切って洋食屋を2週間閉めました(笑)」
「では今の味はまだまだ進化中?」
「そうですね。」
たくさんお話を聞かせて頂いている最中ではありますが聞けば聞くほど、お腹が鳴ってきます・・・
ってことで、藤澤オーナー、上野店長っ!!よろしくお願いしますっ!
オーダーをするや否や、ササっと厨房に移動してくれる上野さん。カメラマンの指示にも優しく従ってくれる、なんとも柔和な方です。。。やさしいっ!
でででーーーんっ!!ほほほほほ。
見事にスープが澄んでいます。で、ツヤツヤ。ショーケースに飾ってあるサンプルのような艶やかさ!これ、本物なんですよ!
いたーだきますっ!!(合掌)
おおおーーーっ!めちゃくちゃあっさりして見えるのに、濃い。不思議な感じ・・・コクがあって、でもスッキリしてるんです。透き通るスープの中に、油のつぶつぶが見える。そしてゆずの香りがふわっと漂い、チャーシューの柔らかさと煮卵のトロトロさ。
完璧っ!!
しあわせな温かさに包まれつつ餃子にシフトチェンジっ見た目どうよこれ?焼き加減、天才っ
「餃子はタレが無くても食べられるよう作ってあります。」
ほほう。では、頂いてみましょうかね。
サク。。んまーーーいっ!!隣に添えられた柚子胡椒もバッチシです。
味がしっかりついていて、ひとくち頬張ると、めちゃくちゃジューシーで肉汁が・・・あぁ。これぞ幸せの絶頂ですな・・・
一気に食べ終えちゃいました、完食っ。これが進化中の味・・・おそるべしです。
「今後、このお店の行きつくところとか目標とかはあったりしますか?」
「10年を見据えたお店作りをしています。その先は、若い人を育てていきたいという思いがありますし、この地域を飲食で盛り上げていきたいので、このお店がラーメン店であることに執着はしていないんです。」
「え!?何と言いました?それは、ラーメン店じゃなくなる可能性があると言う事ですか?」
「はい。ラーメン店に固執しなくても出来る事はあると思っていますね。色んな形態があると思っています。それこそ、昼はラーメンだけど、夜は居酒屋とか(笑)」
バイタリティがすごい。無限の広がりとはこの事でしょうか?発想の枠を取り払った考え方は、すべてをOKにしてしまう懐の深さがあるなと心から感じました。「僕はサラリーマンが性に合ってなかった。時間を決められて、やり方を決められて、その中で働くことが苦痛で。だから今、自分で決められるこの働き方がとても自分に合っていて自由を感じます。」そう笑顔で話す藤澤さんの芯の通った雰囲気は、とてもリーダー気質な方だなと思いました。ご本人は「まとめるのは嫌い」と言っていましたが・・・(笑)
店名「七福神」には、「福壱軒」から“福”を、「めんや仁」から“じん”を、そしてみんながここで笑顔になれる場所を作りたいという想いが込められている。きっとその想いは多くの人に伝わっていくことだろうと感じました。この先の七福神、目が離せませんよ!!
No.23
めんや七福神【閉店】(めんや ななふくじん)
076-259-6176
水曜日11:00~15:00まで 11:00~15:00, 18:00~21:00
日曜日
白山市鹿島町ヘ63−3
美川インターから車で14分
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