美人店主が作る
体にもお財布にもやさしいお惣菜屋さん
美人店主が作る
体にもお財布にもやさしいお惣菜屋さん
到着!
電車の線路付近。キレイな青空の下が良く似合う、昭和から続いている「絶メシ」にはもってこいの外観!!・・・失礼っ
ちいさな店内にはお惣菜が並べられているショーケースがどどどん。
取材時はすでに売り切れ状態でした。おぉ。(※写真は後日撮影させていただいたものです。)
台所はスッキリとしていて、何十年も使っている割にとてもキレイ。疲れて帰ってきた実家で心がほどけていく感じである。あぁ、ほっとする。
お店からのぞく店主は、ハキハキと話す細身で顔立ちが整った女性だった。染めてないという髪にはおしゃれな生地の頭巾が巻かれているがチラリとのぞくシルバーの前髪がカッコイイ・・・。
「私、珠洲の生まれなんですけど。七尾でも年配の方がいうの聞いたこともあるかな。自分の奥さんのことを「じゃーま」と呼ぶんや。そこから、『奥さん都合が悪いときには私が作りますよ!』って意味で。」
「いえいえ。毎日決まった時間に八百屋さんから電話がくるので、それで食材を相談して決めてます。でも毎回ケンカするんや(笑)」
「おぉぉ(笑)ガンガン行きますね!でも確かに、ひとつの野菜に対しての料理のレパートリーって無限じゃないですもんね…。あ、お総菜のレパートリーはどれくらいあるんですか?」
「毎日のお客さんもいらっしゃるから一緒ってわけにはいかんし。煮物3種類と酢の物はいつも変えとるね。」
「ひと晩の献立を考えるのもままならない私としては崇めたくなるほどの種類ですねきっと。レシピはどこかにメモしてあったり?」
「そうやね。お店は朝6時からやから、仕込みは午後からやって、当日の朝は2時起き。3時頃には遅くともお店で作業してる。」
足りてない。。圧倒的に睡眠時間少ない・・・レシピの事といい、もしかしてサイボー・・・ぐっとこらえて質問に戻ろう・・・
「そうやね。最近は予約をしないと買えない。よっぽどじゃないと作れなくなってしまって。日替わりのおかずが無くなったら作らんからね~。」
昔から基本的には作り置きゼロ。作り終わらないと家に帰れないそうで。。。大変だ。
じゃ~まの定番はポテトサラダときんぴらでそれ以外のおかずは毎日日替わり。作業量がかなり多いのだろうと想像できる。
お惣菜の味が気になるので、人気がある唐揚げが入ったお弁当を作ってもらう事に!!
やっほい♪
外野から「そこまでスマートじゃないんですよ」という声が聞こえる。
気のせいだと思いたいが現実だ。見た目では分からないが夏に輝く二の腕はたくましい・・・
謙遜って言葉を覚えるようにします。
お弁当はサービス品なんです。と、蠏さん。
このボリュームで450円!ご飯の大盛は50円UPだが、そもそも・・・
今回のおかずは、からあげ、煮物、がんも、貝ひも、きんぴら、梅干しに漬物。
見ての通りふたは閉まらないので、乗せるだけ(笑)・・・わんぱくだわ~。
撮影用にサービスしてないか疑惑が出てくるほどのボリュームだ。
からあげ、うんまっ!!冷めてもうまい、この唐揚げの柔らかさよ!!
おや??きんぴらが、、、ささがきじゃない。ごぼうが柔らかくて、歯につまらない!(笑)
このきんぴらは、ここでしか食べられない味だわ。
蠏さんは、「食材も吟味してる。国産のものが多く、化学調味料を使ってないし、料理酒も日本酒を使ってる。なんとなくやけど、それが昔ながらの味なんかもね。自然の味や。」と。
サラッとすごいことを言っている。お惣菜屋さんでなかなか出来る事じゃない。
実は、調理器具も使わず包丁一本で総菜を作っているのにも驚いた。
やはりサイボ・・・いやいやいや。冗談です!!(・・・そんなことはみんな分かっている)
「料理は時間がかかるもの!お客さんにお出しするとなればなおさら。うちの母親がそういう器具も使ってなかったし。」
「うん。すっごい美味しかった。妹とよく話すもん。お母さんのごはん美味しかったよね~って。もう2度と食べられないけどね。」
「ここのお客さんの思い出の味が、蠏さんの作る味だとしたら、同じ気持ちになる人もいますよね。昔通っていた高校生とかもそうだと思います。大人になっても通い続ける根強いファンがいるってそういう事だと思います。」
「このお店を始める前には医療事務をとったりしたけど、娘二人と3人では生活できんって思ってね。でもお店しても大したことなかったけど(笑)」
「32年続くお店って、大したことあったって事ですよ!!」
「そうなんかね?お客さんのお陰や。ありがたいと思う。妹が東京にいて、やっぱりお惣菜屋さんあると気になってのぞいたりするみたいやけど、すぐお店自体が無くなってしまうし、都会は早いよ~って言うとる。良く続いとるねって。でもそれは私が続いとるんじゃなくてお客さんが来るのを続けてくれとるんやって。」
「いやいや!それは逆だと思います!美味しく作ってくれて、蠏さんの人柄があるからみんなずっと通い続けたくなるんですよ!こんなに沢山の人に愛されているお店…誰かに継いで欲しいと思ったことは?」
言い切る蠏さん・・・。
美緑はその言葉をしり目に、みんなの「じゃーま」になっている蠏さんが辞めてしまったら、なんて切ないんだろうなという気分になった。
蠏さんからは「お陰さまの精神」がひしひしと伝わってくる。
美味しいから足が向く。そこに食べたいものがあるから通い続ける。
高校生が大人になって、それでもまだ通い続けたくなる味と温かく迎えてくれる蠏さんがここにはいる。唯一無二なのです。
No.24
じゃ〜ま【閉店】(じゃーま)
0767-53-8258
6:00〜17:00,土曜日6:00〜12:00
日曜日
石川県七尾市南藤橋町子37−3
七尾駅から徒歩3分
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